おそらく、このページを発見してくれた方は、「自分でホイールを塗装したいな」とか、「マットブラックのホイールにしたいな」とか、考えてググってみて、ここにたどり着いてくれたことだと思います。
ここでは、DIY感覚で自分でホイールをマットブラックに塗装した体験談を書いています。出来るだけ安く、お金をかけずにペイントしてみました。
ただそれだけのページですし、特に専門家でもなく、特別な知識を持ち合わせているプロフェッショナルな人でもありません。なので、間違った情報も中にはあるかもしれません。
まるっきりマネをされてしまうと、もしかすると、すぐに剥がれてしまったり、色あせてしまったり、何か問題がある可能性もありますので、あくまで「ひとつの例」として情報をご利用ください。
自分もいざ塗装するまでは、
「アクリルラッカー?二液性ウレタン?なんでもよくね?」
「プライマー、サーフェイサー?めんどくさくね?」
てな感じの初心者で、必死になってググって関連するサイトさんとか、ミンカラなどから情報を調べて少しだけ知識をつけて、実践しました。
プラモとか、原付とかは缶スプレー塗装したこともあったので、塗装がまったくの未経験というわけではないですが、特別な車好きや、バリバリのカスタム車に乗っている人でもありません。
そんな自分のような、「あくまで普通の人」でも、いかに最低限人に見せられる、お金のかからないホイール塗装方法を詳しく紹介するつもりです。
参考になればちょっとだけうれしいです。
また塗り替える必要も出てくるかもしれないんで、自分のために書き残しておくって感じですが。
基本的な流れは、中古ホイールをヤフオクで購入、洗浄、足付け、マスキング、脱脂、ミッチャクロン、アクリルラッカースプレー塗装、乾燥、3液性ウレタンスプレー塗装、コーティングという感じです。
前置きも長いので、読み飛ばしたい方は、目次から読みたい部分を選択して下さい。
目次
タイヤ交換の必要性が出てきたのがはじまり
すこし前になるんですが、前に愛車に着けていたタイヤの溝がそろそろヤバいなとなってきまして、タイヤ交換の必要が出てきました。
きっかけは、行きつけのガソリンスタンドで店員さんが「そろそろタイヤ交換したほうがよさそうですね、今なら本当に安くできるんですが・・・」と声をかけてきました。
「いやぁ、仲のいい知り合いの車屋でやってもらうから」とそっけなく断ったものの、駐車場に帰って来てちゃんと見てみると、「確かにけっこう減って来てるな・・・。」と
自分の車は普通にファミリーカーとして使用していて妻も運転します。「これはそろそろタイヤ交換する必要があるな!」と動き出すことにしました。
とりあえずお世話になっている日本車メーカーのディーラー(うちのとは違うメーカー)さんの知り合いに軽く聞いてみると、4本で10万ほどとの答えが。
特殊なサイズのタイヤなもので、合うのがけっこうあるようなものではなく、安い物もころがっているわけじゃなくて、どうしてもそのぐらいの値段はかかってきてしまうんですよね。
ヤフオク!なんかのオークションでも、ジャストで合うようなサイズはあんまり転がってません。(タイヤだけに)
もともと、ホイールを黒にしたいなという思いを強く持っていて、タイヤ4本10万円ほどの交換費用がかかって来るのをどうしようか考えました。
タイヤだけ交換?それともホイールごと交換??
さあ、どうしようかと考えていたんですが、その間にもタイヤはすり減っていくわけで。奥さんも普段は乗っているので、そんなときにバーストしてしまったら大変。あまり長くも考えているわけにはいきません。
普通にいけばタイヤのみ交換、でも、「どうせ10万円かかるなら、ホイールも違うのに換えてもいいんじゃないか?」という思いが。
というのも、今までついていた純正アルミホイールは、四駆タイプの車ながら、ちょっと都会的っな感じの18インチで、「もうちょっと男らしさ・武骨さが欲しいな」と感じていました。
せっかくなら「四駆らしくオールテレーンタイヤ(全地形タイヤ)なんて男らしく」なんて思っていまして。
というか、今までのアルミホイールに飽きてきてたのが大きいです。
で、同じ車でカスタムしてる車はどんなの履かせてるのか、どんなホイールが似合うのか、自分はどの感じにしたいのか、国内・海外いろいろ見てみました。
自分の車本体のカラーはブラック。ホイールも黒、未塗装樹脂パーツに合わせて「マットブラック(つや消し黒)」が一番いいやという結論に達しました。
というか、前々からやりたいなとは思っていたんですが。
で、現状のホイールを黒にするのか、ホイールも交換してしまうのか。新品のホイール&新品タイヤは予算の関係でNG。
中古ホイールを探すのですが、うちの車、「P.C.D.(ナット座ピッチ直径)」も希少なやつなんです。
あることはあるんですが、スタイリッシュなのとか、ラグジュアリーなのとか、ストリートなホイールとかで、自分が求める「武骨なタイプ」じゃない。
どうするか・・・
ヤフオク!でいいホイールとの出会いが
いろいろ見ましたが、「年式・グレード違いの純正17インチホイール」が、見た目も武骨、しかも、ちょうどヤフオク!で安くで出品されてる!
そう、ヤフオクで検索してみたら、自分に見合ったタイヤ付ホイールが出ていたんです。
しかも、タイヤもちょっと減ってるものの、5部山以上は残っているとのこと。
「これだ!」
同じ車に乗っていて、山仕様にカスタムしたりしている人には需要はあるホイールなのかなと思うのですが、乗っている人も少ないので、すぐに入札、落札することが出来ました。
5万円を切る価格で手に入り、そのまま履き替えるだけでいいということで、いい出会いだったと思います。
塗装に必要な物を揃える
ヤフオク!落札と同時進行で、ホイールをマットブラックに塗装するために必要な自分の知識と、道具類を揃えていきました。
上の画像がだいたいのものですが、その他にもいろいろ使っています。
まず、いろいろと必要なもの、自分でのDIY塗装を経験した人はどんなものを使用していたのかいろいろ調べて、100均や、アマゾンなどを利用して揃えていきました。
足付けのために、サンドスポンジ、紙ヤスリ(耐水ペーパー)。マスキングテープ、マスカー、ガムテープ(布テープ)などマスキング用品いろいろ。
脱脂用のシリコーンリムーバー、キッチンペーパー。
サフェイサー&プライマーは、ミッチャクロンだけで済ませています。
アクリルラッカースプレーは3缶、2液性ウレタンスプレーは、1缶使用。(多分これでは薄すぎると言われると思います。)
つや消しのアクリルクリアも買ったんですが、使用しませんでした。
今回、使用したものそれぞれ細かくは、これからの作業工程の中で紹介しています。
よく使われている人気の2液性ウレタンスプレーはこれ
上塗りで最終的に一番外側になってくる、2液性ウレタンスプレー。
ネットでいろいろ調べていると、よく使われているのはこれ。
イサム エアーウレタンスプレー
かなり利用されているようで、信頼性が高いですし、使っている人が多いからネットでの情報もいっぱい出てきます。それだけでこころ強いですよね。
自分は節約するためちょっと安かったのと、下地のアクリルと同じメーカーのものに揃えておこうとして、これは使用していないのですが。
耐久性・耐候性、ツヤなんかを見ると、アクリルラッカーなどでの仕上げとはやはり違いが出て来るようなので、ウレタンを利用する方がベターだと勉強しました。
最初からウレタンにするか、下塗りはアクリルラッカーでウレタンクリアで最終塗りするとか、やり方は、いろいろありますが、違う種類の塗料を重ね塗りするときは、縮みや塗料がうまく乗らないなどの問題が発生する可能性が高いので、よく調べてからやりましょう。
特に、ウレタンの上にアクリルはまず避けるべきのようです。
自分の場合は、アクリルラッカースプレーを下塗りしてから、しっかりと乾燥させた後に、2液性ウレタンスプレーを上塗りしています。
【流行中】剥がせるスプレーという方法も
ホイール塗装には、剥がせるスプレー塗装が最近流行っているみたいですね。
ラバースプレーとか呼ばれているもので、飽きたらつまんで剥がせてしまうというものですね。
人気があるのはコレかな
カーラス カラフルラバースプレー
ちょっと考えたんですが、剥がれやすそうな気がしてしまうし、何度も塗装作業するのは自分の性格上無理だなと思ったので、やめました。
ちょこちょこ頻繁に色を変えたいとか、オフ会とかイベント用に短期間だけ目立つ色にしたいとか、失敗してもやり直しやすいとかいう点ではいいと思います。
業者に頼む場合と自分でやるのとホイール塗装の価格は?
今回全部で2万円もしないで揃えられたかと思います。ホイール代は別。
まあ、かなり節約して揃えているので、もしかしたら塗装が薄すぎてすぐに剥がれてしまったりするかもしれませんが・・・。
プロに頼んで塗装してもらう場合は、安くて1本15,000円からってところでしょうか。軽い傷の補修なんかもついていたりもするようですね。コーティングもやってもらうとなると、さらにかかるとは思います。
保証がついていたり、設備も整っていて、いつも塗装をしている職人さんですから、長い目でみれば、頼んだ方がよかったということなのかと思いますが、思いつきで「自分でDIY塗装しちゃおう!」と考えた場合、やはり費用面では、かなり安くつきました。
自分でホイール塗装することはオススメしますが、こういう地味でコツコツやらなきゃいけない作業が好きかどうかという性格面はかなり関わってくると思います。
失敗してしまって、もう自分でやる気力がないから、やっぱりプロに頼もうってことになると、結局高くついてしまいますからね。
▼ ここから下地作りの作業 ▼
ホイール到着 さっそく洗浄!脱脂もかねて
そんなこんなで、ホイールが無事到着しました。出品者さんは中古パーツ屋さんのようで、親切で、バランス調整もしてくれていました。
ということで、さっそく洗浄。
普通の台所用の中性洗剤と、台所用スポンジ、洗車用ブラシ使用。全て100均で手に入りますね。
もともとブレーキダストの焼き付きもなく、キレイな状態だったんですが、脱脂もかねて、丁寧に2度洗いしました。
タイヤ部分はタイヤワックスでしょうか、けっこうベトベトしていました。なので、タイヤもリムの周辺は適当に洗っておきました。マスキングするときにマスキングテープやガムテープが付きにくいだろうと思ったので。
後々、作業のたびにタイヤを触って移動させることを思うと、もっとしっかり洗っておいてもよかったかもしれません。
まあ、念入りに洗う意外は特別な作業はしていません。
洗い終わったら軽く乾燥。次の足付け作業へ。
コツコツと紙ヤスリで足付け 下地処理
足付けとは、塗装をする面に細かい傷をつけておくことで、ザラザラのデコボコにして表面積を増やすことで、塗料(今回の場合はミッチャクロン)との密着を強めるための下地処理の作業。
ツルツルの面のままだと、塗料がうまく乗らなかったり、剥がれやすかったりしてしまうので、サンドペーパー等で傷をつけていく、メンドクサイですが大切な作業。
どのぐらいの深さの傷をつけるべきなのか、調べてみるといろいろな情報がありました。
耐水ペーパー#400から始めて#800〜1000ぐらいで仕上げるとか、3Mの「スコッチ・ブライト」がいいとか。
自分の場合は、手っ取り早くホームセンターで、「ホルツのサンドスポンジ」と「耐水ペーパーの#600番」を3枚ほど。1,000円でおつりがきたと思います。
スポンジタイプなど柔軟な物が使いやすいと出てきたので、コレを使ってみましたが確かにやりやすかったです。柔軟なタイプがオススメです。
ホイールは、曲面でできているものが多いので特にそうだと思います。
どのぐらいまで傷をつけるべき!?目安は?
「サンドスポンジの#400(茶色)で全体的にさーっと深めの傷をつけていって、耐水ペーパー#600で細かい傷にしていき、サンドスポンジ#800(グレー)で仕上げる。」
というイメージだったんですが、なんだか#800では、「もうちょっとザラザラ感があるほうがいいんじゃないか!?」っていう気がしたので、耐水ペーパー#600で仕上げにしました。
コツコツヤスリがけの「めんどくささ」に、心が折れかけてしまったというのも少しあります。
サンドスポンジ#400は、軽目に全体にかけて、ほとんど耐水ペーパー#600での作業でした。
サンドスポンジの方はけっこう小さいし、すぐにダメになったらどうしようと思ってそうしたんですが、耐水ペーパーに比べるとかなりの耐久性がありました。
結局、1本1時間ぐらいは時間がかかってしまっていたんじゃないでしょうか。
全体的にツヤッとしている部分が無くなって、曇った状態にできたら終了しました。次のマスキングの工程へ。
塗装しない部分をマスキングでカバー
自分の場合は、ホイールにタイヤがついたままの状態でのマットブラック塗装なので、スプレーがかかってはいけない部分、主にタイヤ部分をマスキングしていきます。
「マスキングテープをリムの周りに貼ってから、ガムテープをさらに貼って、マスカーで広くカバー。」
と考えていましたが、結局、リムの周りにガムテープを貼ったのみでした。
ちょうど、プラスチックダンボール(プラダン・名前の通りです)ってやつがいい大きさであまっていたので、それに「ホイールのリムより少し大きく、ガムテープマスキングよりは小さい穴」を開けて、実際にスプレーを吹く時には、簡単にカバーしながら缶スプレー塗装しました。
タイヤにも飛んでしまっていると思いますが、マットブラックだと分かりません。
ホワイトとかを塗装する人は入念にマスキングする必要があるでしょうね。
タイヤにワックスの油分が残っていたので、ガムテープが全然ひっついてくれなくてこまりましたが、まあ、細かくちぎって数を貼ることで、ガムテープ同士がひっついてくれたので、問題なくいけました。
当然ですが、リムが隠れてしまうと、シルバーの色が残ってしまうので、注意しながら、リムとタイヤの隙間の深くへ貼る感じで。ちゃんとやっているつもりでも、作業に熱中してしまうと忘れてたりします。
簡単に済ませたい人は、トランプをリムの外側にずらーっと並べていって、缶スプレーしている人もいるようです。
タイヤ以外の細かい部分のマスキング
タイヤの他には、「エアバルブ(空気入れるとこ)」と「ナットホール(ナットが入る部分)」、「センターキャップがはまる部分」にもマスキング。
エアバルブは、マスキングテープでクルクルと。もともとつや消し黒なんで適当にw
ナットホールは、養生テープを2枚で、穴をふさぐ状態に貼って、カッターで切り取って丸に。ナットが当たる面をマスキングした状態に。
黒に吹いてしまうかどうか迷ったんですが、ナットを締めることによって、塗装が剥がれてしまうのは当然だろうと思ったので、それで汚くなったり、大きく剥がれてしまったりするんだったら、キレイに丸に残ってる方がいいかと思って、そうしました。
センターキャップがはまる部分も同様に。
どっちにしても、マスキングがしっかりできてなかったのか、キレイにはなりませんでしたが、ホイールを付け替えて、ナットがハマると気にならなかったので、よしとします。
▼ 汚いでしょ
ホイールによっては、目立ってきてしまうものもあるかもしれませんので注意して下さい。
マスキングと次の脱脂の順番も迷ったんですが、マスキング作業で手で触ってしまうので、脱脂を後にしました。
脱脂して油分をしっかり落とす
塗装に入る前の脱脂です。
マスキングを先にするか、脱脂を先にするかちょっと考えたんですが、マスキング作業で手の脂がホイールについてしまうことを考えて、脱脂を後にすることにしました。
車の脱脂するものといえば、「シリコンオフ」が有名というか代名詞的な感じですが、自分の場合はコレを使用しました。
ホルツ シリコーンリムーバー
特に理由はありません。持っていたので使っただけで。こっちの方が、ちょっと安いんだったかな?
シリコーン・オイル・ワックスの脱脂洗浄剤です。
ホイールを塗装するぐらいなら、シンナーやパーツクリーナーでやっちゃう人もいるようですが、塗装以外にも車を脱脂したいことがあったりするので、持っておいて損はありません。(ステッカーを貼る前とか。)
缶をよく振って、10〜20cm離してスプレー。キレイなやわらかい布で拭き取ります。揮発性が高いので、すぐに拭き取ります。
まあ、使い方はとくに難しくありませんが、拭き取るものは、「クッキングペーパー」がいいと思います。
キレイなタオルもあったんですが、ホコリが付きやすいのが気になるし、一度拭いて汚れた(油分がついてしまった)部分で再度拭いてしまうと意味がないと思うので、クッキングペーパーなら、どんどん新しいもので拭き取れるので。
引火性があるので、火気と高温にはご注意。
さあ、次からは、スプレー工程です。脱脂もスプレー工程ですが。
下地作りも次で最後なんですが・・・
塗装工程にかかる時間配分(スケジュール)を考える
「先に考えておけよ」という話ですが、素人なので。
実際には、足付けやマスキングをしながらイメージしていた感じですが。
足付け・マスキングで、日中まるまる1日ほどかかりました。
そのまま夜まで作業できれば、下塗りまでやってしまえないことはないですが、塗装する場所は電気がないので暗くなると見えません。(塗装はできるだけ明るいところでしましょう。)
ミッチャクロンを吹くと、その次の下塗りカラースプレーまでの乾燥時間は短くでいいので(常温時15〜20分推奨)、「ミッチャクロンと下塗りのアクリルラッカーで1日」と考えました。
ここは、実際に作業するのはちょっとの時間ですが。
下塗りアクリルラッカーから、上塗りウレタンスプレーまでは、「1週間ほど乾燥させるのが望ましい」というのを調べていて知ったので、どうせ上塗りまではすぐにはできません。
(後に書きますが、実際は1週間ガマンできませんでした。)
で、自分の場合は、
洗浄・足付け・マスキング、脱脂までで、1日(日中まるまる作業)
ミッチャクロン・下塗りアクリルラッカーで、1日(実際の作業は少し)
乾燥期間を経て、上塗り2液性ウレタンで、1日(実際の作業は少し)
という日程で作業しました。
スプレー塗装は、実際に塗装している時間はわずかなんですよね。
あまり時間がとれないという人は、あせらずすこしずつ工程を進めることになると思います。か、下地作りを適当にしてしまうか・・・。
ということで、2日目の下地作り最終工程のミッチャクロンへ
ミッチャクロンで塗料をしっかり密着させる
下地処理の最終工程、塗料をしっかりホイールに密着させるために「ミッチャクロン マルチ」を吹き付けました。
サフェーサーを吹いて、水研ぎする方がいいのかどうか、あんまりよく分からなかったので、メンドクサイ作業も少し減らせるのでミッチャクロンで済ませてしまいました。
ミッチャクロンマルチは、特殊なポリオレフィン系樹脂をベースに、変性重合を行い、耐薬品・耐水・耐蝕性に優れています。密着の悪い溶融亜鉛メッキ、生アルミ、ステンレス、クロームメッキ等の金属、ガラス、タイル、プラスチック(自動車バンパー、アクリル看板)などの樹脂面、そして焼付塗料など塗装の密着しにくい広範囲な対象物に対して、一切ペーパー研ぎをせず、塗料の強力な密着が得られます。しかも、ウォッシュプライマーのような劇物を使用していませんので、安心してご使用になれます。
というものです。吹く前にはペーパー研ぎはした方が確実なような気がします。
一般用アルミ、生アルミ、焼付塗装皮膜に対しても「二重丸」になっているので、最適かと。
ミッチャクロンの使い方
1.塗装面のサビ、油分、水分、ホコリなどは完全に除去します。
2.ミッチャクロンを1〜2回、薄くムラなくスプレー。
薄い皮膜で十分性能は発揮されるようなので、厚塗りは避けるべきとのこと。
3.常温(20℃)、湿度60%で、15〜20分と短い乾燥時間で上塗りスプレーが可能。
ですが、温度の低い時(5℃以下)、高温度の時は、十分な密着が得られないおそれがあるとのことで、その場合は前もってホイールを温めるか、塗装後温めるようにする方がいいようだったので、そうしました。
乾燥時間の目安は、夏:15~20分、春秋:20~30分、冬:1~2時間と書かれていましたので、1時間ぐらい乾燥させて上塗り工程「アクリルラッカースプレー」に入りました。
厚塗りはせず、1〜2回薄めにスプレー。1回目は特に薄く、足付け感覚で。2回目重ね塗りもそんなに厚くはしませんでした。
このまま実際につや消し黒を吹く工程に入りたいんですが、その前に・・・
寒い時期の塗装は、気温に注意!
自分がホイール塗装を行なった日あたりは、真冬、「今年1番の冷え込み」なんて言われるぐらい寒い期間だったので、気温はかなり気にしました。
もちろん、この後の缶スプレーもそうです。
もっと暖かい時期の方が絶対によかったと思うんですが、こればっかりは。
自分の場合は、スプレー塗装作業は、使われていない実家の物置スペース(空気はもれるけど、いちよう屋内)で行ないました。
日が差しているのは少しの時間で、普段はジメジメ暗くて寒い場所で、人の出入りもありません・・・。ホイール塗装にはちょうどいい場所があって助かりました。
石油ストーブを利用して温めて行ないました。
乾燥時も、近くにいられる時間はそこに石油ストーブを置いて行なうことにしました。
火事・一酸化炭素中毒に要注意
その場所から離れたり、石油ストーブをつけたまま作業をすると、火事や一酸化炭素中毒の危険性があるので要注意してくださいね。乾燥中もたまに換気していました。自己責任でお願いします。
先に石油ストーブである程度室温を温めて、空気をしっかり入れ替えてからスプレー塗装する。
塗装が終われば、石油ストーブを付けて、扉を少し開けて、そのまま乾燥。たまに換気も。
という感じでやってました。
かなり暖かくできたので、真冬でしたが乾燥も短めで進めちゃいました。
あと塗装前には、「スプレー缶自体も温めてからスプレーした方がいい」ということを学んだので、それもやってみました。
スプレーの圧を高めることができるということのようです。圧が弱いと、まばらに塗料が飛でしまったりするようで。
また、温めることで「乾燥や硬化」を早めることもできるようです。
特別寒くなくても、やった方がいいようですね。
バケツにお湯(50℃ぐらい)を張って、そこにスプレー缶を投入。
そのまま、しばらく(30分ほど?)置いておいて、スプレーする。
終わったらすぐバケツに入れて、2回目の重ね塗りとの乾燥時間中も温めておく。
熱すぎると爆発の危険もあるようなので注意して下さい。
石油ストーブは推奨できるやり方とは言えないですが、スプレー缶を温めておくのは、やっておくべきことのようです。
この項目は特に自己責任でお願いします。何かあっても保証できませんのであしからず。
ではやっと、カラー缶スプレーで実際に「マットブラック」を乗せていきます。
▼ ここから缶スプレーでの塗装作業 ▼
アクリルラッカースプレー(つや消し黒)を塗装
ミッチャクロンを乾燥(1時間ほど置きました。)させたら、アクリルラッカースプレーでマットブラックの下塗りを吹き付けます。
ホームセンターなんかで売っている200円ほどの安いアクリルラッカースプレーでもいいんじゃないかとも思ったんですが、ちょっとマシな値段のを選びました。
あと、上塗りする「2液性ウレタンスプレー」とメーカーを合わせておこうと思ってこれを選択。
アサヒペン「高耐久ラッカースプレー」
ノントルエン・ノンキシレン、紫外線、酸性雨、サビに強い、シリコン変性アクリル樹脂の使用により耐久性が格段に優れたラッカースプレー。
超速乾タイプ(夏期 20~30分 冬期 40~60分)
難しいことは、あんまりよく分かりませんが、まあ強そうなんで。
調べてみると、アクリルラッカースプレーではなく、「アクリルシリコン」スプレーになるのかな?シリコンが加わっていることで、耐候性に優れるそうです。
これを、まず温めて圧を高めるためバケツに張ったお湯(50℃ぐらい)に入れておいて、温まったら、しっかり缶を振って吹き付けていきます。
「使用する前に、撹拌球と音がしてから30秒間容器を充分に降り動かして中身をよく混ぜます。」と書かれています。
ホイールと、15〜20cmほど離して、薄っすらと吹きます。あくまでもうっすらと黒が乗る程度に「砂吹き」。
とにかく薄く回数を重ねて吹き付けていきました。
というのも、上塗りのウレタンを吹くまでの乾燥期間をできるだけ短くしたかったからです。ベタっと厚塗りしちゃうと、内側の方の乾燥・硬化に時間がかかってしまうようなので、1回1回薄く塗ってはしっかり乾燥というように。
ツヤっとさせたくて「砂吹き」をするとザラザラの「ツヤ無し」になってしまうこともあるようですが、「マットブラック(つや消し黒)」にしたい自分には何の問題でもありません。
薄く薄くを意識して、1時間ずつぐらい乾燥させながら、何度も吹き付けていきました。缶には、「40分(冬季は60分)」と書かれています。
石油ファンヒーターを直接あてていたので、結構乾燥させられていたのではないかと思います。
300mlを2缶と半分ぐらい吹いたところで、アクリルラッカースプレー塗装は終了。
いったんタイヤにしていたマスキングを外しておきました。このまま貼っていて、最終剥がすときに、塗装が一緒に剥がれたら嫌だなと思ったので。
自分の場合は、薄く吹いているからなのか、たぶんそのまま最後までいってもいけそうでした。
長い(といっても省略してしましたが)乾燥・硬化期間に入ります。
しっかり乾燥時間をとって、アクリルを硬化させる
早く塗装を終わらせてしまいたいという気持ちと戦いながら、乾燥。早く仕上げたいという葛藤と戦うのがある意味キツかったのがここです。
インターネッツ情報によると、基本的には、アクリルラッカーの上に、ウレタンを重ね塗りする場合、最低でも1週間は空ける方がいいようです。
しっかりとアクリルラッカーを硬化させておかないと、ウレタンを吹いた時に、縮みやシワが起こってしまうそうです。
ウレタンの上にアクリルの重ね塗りは無理のようなので注意しましょう。
ウレタンの缶スプレーにはあまり色の種類がないようで、こだわった色にしたい場合は、色の豊富なアクリルラッカーを吹いて、仕上げにウレタンのクリアを吹く人が多いようです。
かなり寒い時期だったので、もっと空けなければいけないかったかもしれません。
自分はここまできたら早く完成させて、車につけてしまいたかったので、できるだけストーブを使って、自作ドライブース(物置ですが)で乾燥させていましたが、待ちきれず、結局3日間だけの乾燥期間になりました。
ホイールを4つ並べて、すこし空けて石油ファンヒーターを置き、プラダンで囲って、ホイールだけに風が当たるようにして、スポークの間から、温風がホイール4本分のパイプを通っていくという感じで乾燥させていました。
文字では意味が分かりませんね。
分かるかな?石油ファンヒーターが風を取り込む部分を囲わないようにしないと、不完全燃焼が起こってしまうと思うので注意。うちにあったのは、後ろから空気を取り込むタイプだったので、後ろは囲いません。離れる時は恐いのでストーブは消していましたが、近くにいられるときはやっていました。
これやってると、ホイールはけっこう温かくなっていたので(30〜40℃ぐらいかな?)けっこうしっかり乾燥させられたんじゃないかと思っています。
触った感じは固まっているし、爪の痕も残らない感じだし、まあいけるだろうということで、3日間空けたあと、最終仕上げ、2液性ウレタンスプレー塗装です。
上塗り 2液性ウレタンスプレー(つや消し黒)で最終仕上げ
アクリルラッカーをしっかりと乾燥させたら、最終の一番外側になる「2液性ウレタンスプレー(つや消し黒)」を吹き付けます。
その前に、一度剥がしておいたタイヤ部分のマスキングを新たにやり直し、念のため脱脂をしました。
直接ホイールにはスプレーせずに、クッキングペーパーにスプレーして軽く拭いておきました。直接は塗装面が少し恐かったんで。
ファンヒーターで乾燥させていたからなのか、ホコリがけっこう付いていたので一度キレイにしておきたくてやりましたが、ホコリは取りきれずにあきらめました。
使った2液性ウレタンスプレーは
アサヒペン 2液ウレタンスプレー つや消し黒
下塗りのアクリルと上塗りのウレタンでメーカーを揃えておきました。
人気があって、よく使われている「イサム エアーウレタン」よりもちょっとだけ安かったのもあります。
●弱溶剤を使用しており、下地や旧塗膜を侵すことが殆どないので、幅広い素材への塗装が可能です。
●反応硬化後の塗膜は強靭で、耐酸性、耐アルカリ性、耐油性、耐水性、耐溶剤性に優れています。
●光沢、肉持ちに優れた仕上がりが得られます。
●ガス抜き器具付き
ウレタンスプレーは、硬化してしまえば、耐酸性、耐アルカリ性、耐油性、耐水性、耐溶剤性に優れて、ちょっとガソリンがかかったぐらいで剥がれたりしないので、車やバイクを素人塗装する場合の上塗りにはもってこい。
その分、アクリルラッカーより高い価格となってしまいます。
また、自分はつや消し黒なのであまり気にしませんが、光沢・肉持ちに優れた仕上がりが得られます。
アサヒペン2液ウレタンスプレーの使い方
2液性ウレタンスプレーは、スプレー缶内で、顔料と硬化剤が分けられて入っていて、自分で混ぜ合わせます。
といっても特に難しくはありません。
まずは顔料が沈殿している可能性があるので、上下に缶をよくふります。
噴射口をウエスなどでおおった状態で、レバー部分を「パチン」と音がするまで強く押します。音が鳴れば、長く押し付けている必要はありません。
そうすることで、硬化剤が容器内に噴出されます。そのまま15秒ほど放置します。
中身をよく混ぜるために、撹拌球の音がしてから30秒間充分に振り動かします。
これで準備はオッケー!スプレー塗装作業に入ることが出来るんですが、これをする前に、30分程度、お湯(50℃ぐらい)につけて温めておいて圧を上げておきました。
自分はこの「2液性ウレタンスプレー塗装」は初めてだったのですが、特に問題もなくできました。
ただ、スプレーする時のレバーが通常のラッカーのボタンの感覚とは違うことに気をつかいました。
通常のラッカースプレーは小さいボタン状になっていますよね、反応がダイレクトに伝えられる感じなんですが、これは、押す距離が長く、抵抗も違います。指が少し疲れました。
2液性ウレタンスプレーは、硬化剤を混ぜてしまうと、容器の中で固まっていきます。15時間以内には使用し切らないといけないので、その点も注意。
5℃以下では、硬化反応が遅れてしまったりするようなので、塗装スペースの室温をストーブで上げておきました。
マスクして、さらにタオルをその上から巻いて、準備完了。完全に不審者です。
1回目はアクリルラッカーと同じように「うすーく砂吹き」。
ウレタンは、あまり間隔を空けないで重ねて吹いていくのがセオリーのようなので、10分程度乾燥させて、2回目・・・。と薄く塗り重ねていきました。
3回目が終わったぐらいで、「もう1周(4本)回るのは微妙かな」というぐらいの中身の量になったので、これで終了にしました。
買ったアサヒペンの2液性ウレタンスプレーは、1缶。
「うーーん、ウレタンの層が薄すぎるような気がするな・・・。」
2缶にすればよかった・・・。ウレタンのクリアも買ってるけど、どうしよう・・・。
とりあえず、ウレタンクリアは吹かずに、これで満足することにしました。
つや消しの感じはいい具合で、クリアを吹くとまた変わってしまうだろうし。
「おっけーおっけー、素人が自分でやったんだしイージーにいこう。」としました。
後は乾燥させて車に取り付けるだけ。
乾燥・硬化させながら、センターキャップも変更
2液性ウレタンスプレーもしっかりと乾燥させます。軽く触るのは1時間ほどで大丈夫そうだったんですが、完全硬化までには、3日間以上は必要だそうで、上記自作ドライブースで乾燥させます。
雨が降ったり、忙しかったりしたんで、なかなか取り付ける日が決まらず、結局5日ほど開きました。
▲乾燥後のマットブラック塗装ホイール
この乾燥期間中に、センターキャップも変更してしまいました。
センターキャップは、購入したホイールセットには付いていなかったので、もともと付いていたのを付け直します。
つや消し黒に塗装するのは、マスキングもめんどくさいし、ミスしたくないので、黒バージョンのホイールキャップに貼付けられるのがヤフオクにあったので即購入。
それを貼付けただけです。
さらに、せっかく新品ホイール状態(中古ですがw)なので、コーティングもしておくことにしました。
絶対にこの時にコーティングもしっかりしておくべき
塗装が終わったホイールのコーティングは、車に取り付ける前にしっかりしておくべきだと感じました。
車に取り付けてしまうと、もう満足感が出てしまって、何かする気になれませんでした。性格の問題かもしれませんが・・・。
また日を空けて、油分やブレーキダストをキレイにして・・・。っていう作業を最初からするのはメンドクサクて。
今なら、ホコリはついていますが、油分もブレーキダストも皆無なわけですから。
ただ、ウレタン塗装から2〜3日空けたぐらいでコーティングしてしまうことに問題は無いのかどうかは分かりませんのであしからず。
ホイールコーティングに使ったのはこれ
人気のガラス系コーティング剤「クリスタルガード」のホイールアーマーというやつです。
初めて使いましたが、いい感じにコーティング感があっていいです。
普段は、ゼロ○ォーターだけとか、ボディ用のワックスやったりしていましたが、これはしっかりしたコーティング感が感じられます。
1ホイールに3プッシュ吹き付け、付属しているマイクロファイバークロスで拭きます。
が、どうせならと、1ホイール6プッシュほどやっときました。
さらに、1日おいて、同様に施行。
で、センターキャップも付けると・・・
すばらしいです。
ツヤツヤ・キラキラとは違う、「ギラっとした」怪しい深いツヤ。いい感じになりました。
▼ビフォーアフターがこちら
左がコーティング前、右がコーティング後ですね。
▼車に取り付けたのがこれ
見た目はかなり引き締まりますね。想像通りによくなってくれました!
てか、取り付けた次の日にけっこうな雨が降ってしまいまして、この撮影はその次の日かな。
ちゃんと見れば、奥の方には塗装ムラもありますが、自分で、DIYで、缶スプレーで塗装したにしては上出来の仕上がり!
あとは、どのぐらいこれが維持できるのかですね。
次は、「ブレーキキャリパー」の塗装もしてみたいなと思っています。車の下半身が黒ベースになったので、ハデな色でアクセントがあってもおもしろそうです。
かなり長々となってしまったので、
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DIY感覚で自分で缶スプレーを使って、ホイールをマットブラックに塗装した体験談を長々と書いてしましました。出来るだけ安く、お金をかけずに自家塗装してみました。
ただそれだけのページですし、特に専門家でもなく、特別な知識を持ち合わせているプロフェッショナルな人でもありませんので、間違った情報も中にはあるかもしれません。
まるっきりマネをされてしまうと、もしかすると、すぐに剥がれてしまったり、色あせてしまったり、何か問題がある可能性もありますので、あくまで「ひとつの例」として情報をご利用ください。